キリスト教史

知的生活の模倣カトリック教会キリスト教史

Webmaster's Note

世界史の教科書に掲載されているキリスト教史は、プロテスタント的な見方が大きく反映されている。例えば「免罪符」などというのは、カトリックの秘跡を理解していない完全な誤訳である。

Books

ホアン・カトレット 『目で見る霊性の歴史』 中央出版社Amazon.co.jp

「目で見る」と言っても、お世辞にも上手いとは言えない漫画のような挿絵があるにすぎないが、カトリックの修道会や信徒運動の歴史を手軽に概観できる本。出版元の中央出版社は現在のサンパウロ。

朝倉文市 『修道院にみるヨーロッパの心』 世界史リブレットAmazon.co.jp

中世カトリック修道院の小史。日本ではプロテスタント学者や非信徒の歴史家の説明が広まっている中で、修道院の歴史をカトリックの視点からきちんと描いている。朝倉氏には他に『修道院―禁欲と観想の中世』という著作もあるが既に絶版で手に入りにくい。

杉崎泰一郎 『ヨーロッパ中世の修道院文化』 NHK出版 Amazon.co.jp 楽天ブックス

NHKラジオ第2放送の「カルチャーアワー・歴史再発見」(2006年4月〜9月)のテキスト。まずは放送を聴く前に、何となく中世教会史のように通読してしまったが、やはりタイトル通り修道院文化について重点を置いた本であった。中世をよく「暗黒時代」と呼ぶ人もいるが、それどころかヨーロッパ文化の基礎が築かれた時代であり、その中心が修道院にあったと言っても過言でないことが分かる。著者は修道生活を営む司祭とブラザーとをまとめて「修道士」と呼んでいるので、その区別を明確にしてほしいと思う箇所が何カ所かあった。だが、一読した限りでは、明らかにおかしいキリスト教用語も、余りにもカトリック信仰に無理解な部分も見当たらなかった。時間が合えば放送も聴いてみたい。

酒井健 『ゴシックとは何か−大聖堂の精神史』 講談社現代新書Amazon.co.jp

ゴシック大聖堂の小史。

永田諒一 『宗教改革の真実』 講談社現代新書Amazon.co.jp

16世紀の宗教改革を題材とはしているものの、神学的な議論はそこそこに、社会史の視点から世の中の移り変わりを描く。とかく宗教改革と言えば、当時のカトリック教会の腐敗に対しルターが抗議して立ち上がったことになっているのだが、彼もまた教会を本来の姿に戻したわけではなく、スタンスの違う別個の教会を作り上げたのである。カトリック教会が禁じていたことが宗教改革派では奨励されたり、そのまた逆もあったりという具合だ。その背景には中世的なカトリックの道徳から自由になりたいという潜在的な願望があったのだろうか、プロテスタントに転じた聖職者や信徒たちは、この新しい信仰生活を手のひらを返したように始めるのである。著者はカトリックとプロテスタントのどちらにも肩入れしていないので、構えずに楽しむことができる本だと思う。

志村辰也 『教会秘話―太平洋戦争をめぐって』 聖母文庫Amazon.co.jp

戦時中に日本のカトリック教会が受けた弾圧について、志村師が「見たり、聞いたり、したりしたこと」を思い出して書いたもの。軍部から睨まれる中で、あくまでカトリックの信仰を守った聖職者や信徒たちの姿が描かれている。このような困難も半世紀以上前に終わったというのに、今でもカトリック信徒は日本人の1パーセントに満たない。平和を唱えるのもいいが、信仰の自由がある時代にもかかわらず教勢を伸ばすことができない理由も、改めて考える必要があろう。

Links

上智大学神学講座 ★★

上智大学の夜間講座。キリスト教史の講座もある。

Quotes

原始キリスト教や中世期の研究が進むにつれて、宗教革命の歴史的主張が漸次消滅してゆく。それにもかかわらず、日本では相変らず浅薄な翻訳的知識が臆面もなく横行している。 ― 岩下壮一


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