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むしろコミュニケーションの問題

耐震強度の書類を偽造したと言われる一級建築士・姉歯秀次氏が記者の取材に答えている映像を観た。司会やコメンテーターは一様に、「他人事のようだ」という非難をしていた。私も確かにそのような印象を受けた。姉歯氏は人間として問題があると感じた人もいるに違いない。

しかし同時に、そこで起きているのは、コミュニケーションの問題のようにも感じた。記者たちは反省の弁を引き出したかったのだろうか、建築士に対する非難を質問の言外に込めていた。一方、姉歯氏は、聞かれたことになるべく客観的に答えようと努めていた。そのため、質問を文字通りに質問として受け取って、それに対する回答をしてしまうのである。質問に対する答えは返ってくる。だが、気持ちが伝わってこない。それが「他人事のようだ」という印象を与えたのだろう。