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聖書は改竄されたか

「ダ・ヴィンチ・コード」が流行する背景には、広く浸透したある思い込みがある。すなわち、教会は自らの都合の良いように聖書を改竄したはずだ、というものである。確かに、教会の歴史は長いし、組織は守らねばならないから、そのようなことがいつかどこかで行われたとしても不思議はない気がする。

しかし、普通に聖書を読む者として感じるのは、福音書が都合良く改竄されているとは考えにくい、ということである。なぜなら、福音書は、将来の教会を背負って立つ弟子たちにとって不名誉でしかないエピソードが、数多く載せられたままだからである。後に教会の頭となるペトロは、イエズスから何度も叱責を受け、鶏が鳴く前に3度主を否んだことも、現代の人々に知られてしまっている。もしも改竄が行われていたのだとしたら、あまりにも不徹底ではなろうか。

また、もしも聖書を書き換えたとして、それを一体どのようにして標準化させることができたのだろうか。写本の時代に、古い聖書に取って代わるべき新しい聖書を、各地の教会に必要な分だけ用意できるものなのだろうか。仮に用意できたとして、すべての教会が古い写本を廃棄し、新しい写本を受け入れるということがあり得るだろうか。むしろ、抵抗する勢力が無視できないほど現れるはずである。こう考えてみると、書き換え説はかなり無理があるように思える。

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